2015年2月3日火曜日

小林秀雄、ユリ・ゲラー、クリシュナムルティ

 文芸評論家の小林秀雄といえば、ぼくも文学青年だったので、新潮社の全集を昔、読んだ記憶がある。
 (小林秀雄が)娘から「何だかちっともわからない」と国語の試験問題を見せられ、「こんな悪文、わかりませんとこたえておけばいい」と言い放ったところ、「でも、これお父さんの本からとったんだって」
 よく引かれる笑い話だが、意外とユーモアのある江戸っ子で、講演も、時には落語家みたいな話しぶりになる。
 そういえば念力スプーン曲げのユリ・ゲラーについて語っていたはずだ。調べてみたら、1974年8月に九州で行った講演会の録音がニコニコ動画にあがっていた。友人の娘がスプーン曲げをしたと報告。「あんなこと(念力のこと)」は、小林の学生時代にもはやったことで、「当たり前だ」。それよりも、そういった現象をシニカルにしかとらえない、ジャーナリズムやインテリに対して、「非常に浅薄だ」と批評しているところが面白かった。
 ついで彼の友人だった作家の今日出海の話もでた。兄の今東光がゲラーのスプーン曲げテレビ番組の立会人で出ていたこともある。そして、二人の父の武平が、ジッドゥ・クリシュナムルティとの親交の深い人物で、神智学協会の紹介者だったことまで話しているではないか。
”へえ、そうだったのか! クリシュナムルティを小林秀雄が学生時代に読んでいたのか・・・・” 思わぬ発見に、僕は耳を疑って、その部分を聞き返した。
「ああいうことは、大学に入る前に流行った」と述べ、子供にはああいう能力はある。しかし、ゲラーみたいに商売にしていると、そのうち無くなるだろうねと、妙な心配までしている。
 講演の内容はお得意のベルグソンによる神霊学の擁護から、本居宣長の古事記研究へと展開するもので、僕には、とても興味深いものだった。やはり、さすがである。
 科学や学問の限界を明確にしたうえで、じゃあ、どう学問していったらいいのか、特に歴史にどうむかいあうか、なかなか面白い内容だった。
 なんで小林秀雄かって? ん、坂口安吾とね、この二人が最近、気になるんだよね。

●小林秀雄講演:ニコニコ動画
信ずることと考えること【前編】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm19213157

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