2015年3月17日火曜日

『山田孝男全集』の刊行継続を願って



最近、個人全集というのは、めったに出ない。まして、精神世界系の人物の、しかも在野の書き手の個人全集なんて聞いたことがない。
 2007年に刊行が始まった『山田孝男全集』(ナチュラルスピリット刊)のことだ。しばらく刊行が止まっていたけれど、昨年(2014年)、全7巻を予定する中の第3巻が出版された。
 そもそも、ぼくがいわゆる精神世界に深くかかわるきっかけは、山田孝男さんだった。1980年ごろ、確か"神秘学講座”というタイトルの講演会を聞きに行ったのである。冷やかし半分で、のぞいてみたのだが、内容はダウジングの実践講座だった。ぼくも、既にコリン・ウィルソンの『オカルト』とか、当時、流行っていた桐山密教の本とかを読んではいたのだから、興味はあった。けれど、やっぱり半信半疑だったし、”これは完全にオカルトだな!”と感じて、ちょっと腰が引けたことを覚えている。でも、なんとも朴訥とした話しぶりに、「言ってる内容は、相当に眉唾なんだけれど、なんかこの人は信用できそうだよな」と思ってしまったのである。
 山田孝男さんは、70年代の半ばごろには、大橋巨泉のイレブンPMなどのテレビ番組に出演して「ピラミッドパワー」を紹介したり、80年代には「ヒランヤ」の大ブームの発案者でもあった。アメリカ生まれの「願望実現器」の紹介とか、瞑想支援装置の「クリスタル7」の発案と開発、販売までを行っていた。さらには「ヴァイブラサウンド」などのマインドマシンの紹介などなど。まあ、なんとも怪しげで、その活動は、ジョン・C・リリーの日本版ともいえるものだ。日本を代表する”マッドサイエンティスト”(これは敬意を込めて言っているのですよ)と言っても、おかしくない活動をされていた。しかも、それを受け入れるマーケットが現に存在していたのだから、いい時代だったとしか言いようがない。
 今から思い返してみると、あの講座に行ったことがきっかけで、ぼくのオカルト探検が本格的に始まった。80年代には、雑誌の取材や原稿依頼で何度も山田さんのもとにうかがったものだ。そして、あの講座から10年後に出版プロデュースしたのが、『瞑想法でこころを強くする――願望を実現するマインド・コントロールの方法』という単行本だった。
 この本の制作は、本当に楽しかった。山中湖畔のお宅に何度もお邪魔して、焚き火を囲んで、話を聞いたものだった。
 その山田孝男さんも、2003年に60歳で亡くなっている。もう、10年以上もたっている。そして、なんと山田さんが亡くなった年齢をぼくは越えてしまったのである。あの単行本の出版から、数えてみると25年もたってしまったのか。いったい、その間、何をしていたのでしょうかね。まったく進歩のない自分を発見して、改めて驚きますね。
 まあ、それは仕方がないとして、この間、たとえばサブタイトルに入っている「マインドコントロール」という言葉は、あの忌まわしい事件の後、マイナスのイメージでしか語られないようになってしまった。まことに残念なことだ。
 しかし、『山田孝男全集』の刊行がなされているということは、まことに慶賀すべきことである。ナチュラルスピリット社が、さらに健闘し、全巻の出版を達成することを、一読者として願っている。 
 
『山田孝男全集』ナチュラルスピリット刊

『瞑想法で心を強くする―願望を実現するマインド・コントロールの方法 』(エスカルゴ・ブックス) :アマゾン:カスタマーレビューも参照:本書も全集入りの予定。

■2代目山田孝男とも言える活動をしているのが、甥っ子の山田剛氏である。この手の技術は、多くの伝統芸能や技術、文化と同じで、一子相伝的な継承によってしか引き継がれない傾向がある。現行の最新実践版は、こちらに問い合わせよう。

0 件のコメント:

コメントを投稿